運動を始めるなら、まず10分をイメージしてみる

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運動した方がいい、ということは、多くの人が分かっています。しかし、実際に実行できていないのだとすると、やる気の前に、明日のどこに時間を入れるかが決まっていないことも、動き出しにくい理由の一つだと思います。

何を着て(準備)、何時に(開始時間)、どこを(場所のイメージ)、何分(所要時間)歩くか。そこまで決めていないと、いざやる時に、まず頭の中で迷子になります。すると、つられて体が動き出しにくい、そして今日もまた断念するという流れになりがちです。

今回は、スポーツや競技の話ではありません。まずは10分の運動について、頭の中で具体的になるようほぐしてみます。

分かっていることと、決まっていないこと

「歩いた方がいい」は、方針です。方針のみでは、行動にはつながりにくいです。そして、結局、靴を履くところまで進みません。

決める要素は、次の4つです。

明日の何時(開始時間)。何を着る(準備)。どこを歩く(場所のイメージ)。何分で切り上げる(所要時間)か。

ここまで事前に決めておくと、動き出す瞬間の「さあ動くぞ」という判断の負荷を、とても小さくすることができます。着替えて、出るか出ないか、という問題はすでに片付いており、決めた時刻に、決めた場所へ、決めた分だけ行く、というシンプルなものを実行するだけになっています。

まずは、明日の1回分にターゲットを絞ります。明後日や、来週といった次の計画は、明日の妨げになる可能性もありますので、まだ要りません。

10分は、目標の完成形ではありません

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、個人差を踏まえ強度や量を調整し、可能なものから取り組む考え方が示されています。今よりも少しでも多く体を動かす、が基本の考え方です。ケガを防ぐためにも現状を踏まえるこの考え方は大切です。

成人向けには、歩行など、ある程度の強さの身体活動を1日60分以上、という目安も示されています。1日約8,000歩以上に相当する、と説明されています。

初日に、その数字まで到達する必要はありません。そのやる気は、ハードルの高さを上げてしまい、あなたの一歩目を止めてしまう可能性もあります。運動ガイド2023で示されている運動への入口は、少しでも今より身体を動かすということです。

世界保健機関の「身体活動および座位行動に関するガイドライン」(2020年)でも、まったく動かないより、少しでも動く方がよい、という考え方が示されています。座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう、注意することも書かれています。

10分は、明日、運動を一つ行ったという結果を得るための現実的な単位です。ガイドの推奨量そのものではありません。

今夜、紙に書くこと

紙でも、メモでも構いません。次の4行を、今夜書いてみてください。

何時にするか。例は、明日の朝7時半、夕方の6時、などです。自分の生活に合う時刻を1つだけ選びます。朝起きてすぐ、仕事から帰ってすぐという設定の仕方も有効です。

何を着るか。部屋着のままで行う、でも構いません。この準備を増やしてしまうと、そこで止まりやすいので注意が必要です。外に出るなら、歩きやすい靴だけ足すくらいで十分です。また、着替えを特定の場所にいつも用意しておくという習慣も有効です。

どこを歩くか。家のまわりを一周。最寄りの角まで往復。スーパーまでの道の半分など、地図が頭に浮かぶ場所にします。初めてのコースに挑戦する必要は、まだありません。今、完歩できるイメージのコースを選択してください。

何分で切り上げるか。今回は10分です。気持ちよくなったからといって、時間を延ばすことはまだしません。決めた時間で戻ります。

書いたら、見えるところに置きます。明日の朝、思い出さなくて済むようにします。

痛みがある方、持病がある方、医師から運動の制限を受けている方は、自己判断で増やさず、主治医などに確認してください。

明日は、書いたとおりに1回だけ

明日は、書いた時刻に、書いた服装で、書いた場所を、10分だけ歩きます。

速く歩く必要はありません。息が上がりすぎたら、ペースを落とします。途中で戻っても構いません。戻ったとしても、それは1回分行動できた実績です。

うまくいった、と感じなくても構いません。評価や達成感よりも、やれたかどうかが今回の中心です。

2日目を続けるかは、1回目が終わってから決めます。できたなら、何がやりやすかったのか。できなかったなら、何が邪魔になったのか。今日を振り返って、明日も同じ方法でできそうか考えてみてください。

決まっている10分から始める

運動した方がいい、は、もう分かっています。必要なのは、明日の10分を行動し、実績にすることです。

まず、何時、何を着る、どこを、何分、を書き出します。明日は、その1回を実行してみるだけです。

運動ガイド2023の数字は、あとから近づければよいです。今日または明日の一歩目ではありません。まずは、決めた10分を、頭の中から外へ出してみます。

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参考情報

  • 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
  • 世界保健機関「身体活動および座位行動に関するガイドライン」(2020年)
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