9月は防災を見直す時期です 日常の中でできる備え

コラム

9月は、防災について考える機会が多い時期です。

特に9月1日は「防災の日」です。

これは、今から約100年前の大正12年(1923年)9月1日に関東大震災が発生した日であることなどを踏まえ、防災について考える日として定められています。

また、9月は台風が近づきやすい時期でもあります。

地震だけでなく、台風、大雨、停電、断水など、さまざまな災害を身近なこととして考える意味があります。

また、まだ暑さが残る時期でもあるため、災害への備えとあわせて、体調管理にも気をつけたいところです。

防災というと、大きな準備をしなければならないように感じるかもしれません。

しかし、身近なものを見直すだけでも、いざという時の支えになります。

今回は、9月のこの時期に見直しておきたい、身近な防災の備えについて考えてみます。

備えは、特別なことではなく普段の見直しから

災害は、いつ起こるか分かりません。

そのため、「完璧に準備しておく」ことだけを目指すと、かえって難しく感じてしまうことがあります。

まずは、今の生活で足りているもの、不足しているものを見るところから始めるのが現実的です。

水はあるか。懐中電灯は使えるか。スマートフォンを充電する方法はあるか。家族と連絡を取る方法は決まっているか。

一つひとつは小さくても、災害時には大切な備えになります。

前回の記事では、残暑の時期に体調を大きく崩す前に、早めに整えることの大切さについて触れました。

防災も同じように、「困ってから考える」のではなく、普段から備えておくことが大切です。

人:家族や周囲との連絡方法を確認する

災害時には、まず人の安全を確認することが大切です。

自分自身が安全か。家族はどこにいるか。離れて暮らす家族と、どのように連絡を取るか。

普段はすぐに電話やメッセージが使えても、災害時には通信がつながりにくくなることがあります。

そのため、連絡方法を一つだけに決めず、別の手段も考えておくと役立ちます。

たとえば、電話がつながらない場合はメールやメッセージアプリを使う。災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板の使い方を見ておく。避難する場合の集合場所を家族で話す。

高齢の方や一人暮らしの方が身近にいる場合は、普段から「困った時に誰へ連絡するか」を決めておくことも大切です。

特別な話し合いでなくても、普段の会話で触れておくだけで、いざという時の支えになります。

物:水、食料、薬、明かりを見直す

災害時には、いつものように買い物ができないことがあります。

また、停電や断水が起こると、家の中にいても普段通りに過ごすことが難しくなります。

まず見ておきたいのは、水、食料、明かり、電池、充電手段などです。

水は、飲むためだけでなく、手を洗う、簡単に体を拭く、トイレに使うなど、生活のさまざまな場面で必要になります。

食料は、特別な非常食だけでなく、普段から食べ慣れているものを少し多めに置いておく方法もあります。

缶詰、レトルト食品、乾麺、栄養補助食品など、家庭の状況に合わせて無理なく準備できるものを考えておくとよいでしょう。

持病がある方や、毎日薬を飲んでいる方は、薬やお薬手帳が手元にあるか見ることも大切です。

ただし、薬の管理や予備については、自己判断で増やしたりせず、必要に応じて医師や薬剤師に相談してください。

また、停電に備えて、懐中電灯やランタンが使えるか、電池が切れていないかも点検したいところです。

スマートフォン用のモバイルバッテリーも、充電された状態で保管しておくと役立ちます。

まず1日分から始め、次は3日分以上へ

備蓄というと、何日分もそろえなければならないように感じるかもしれません。

もちろん、多く備えられるに越したことはありませんが、平時から長い期間の備蓄をそろえるのは簡単ではありません。

そのため、まずは「1日もたないと困るもの」を1日分そろえるところから考えると、始めやすくなります。

災害が起きた直後は、避難場所、水を補給できる場所、食料品や日用品を購入できる場所、道路の状況など、近くの情報を集める必要が出てくることがあります。

そのような時に、すぐ空腹や水分不足で動けなくならないよう、とりあえず1日分の水や食料、必要な日用品を手元に置いておくことは、早めに取り組みたい備えです。

1日分が整ったら、次は3日分を目標にします。

災害時には、発生から72時間が一つの目安として語られることがあります。この間は、救助や人命に関わる対応が優先され、物資の配布や生活支援がすぐに行き届かない場合もあります。

だからこそ、少なくとも数日間は自分や家族でしのげるようにしておくことが大切です。

3日分が整ったら、次は7日分へ。7日分が整ったら、半月分、1か月分へ。

さらに余裕があれば、もう少し長い期間を考えることもできます。

ただし、最初から長期の備蓄を完璧にそろえようとすると、費用も置き場所も負担になります。

大切なのは、何日分に設定するかだけではありません。

災害後、生活が元に戻るまでの間を、どう持たせるかという考え方です。

そのためには、普段使うものを少し多めに持つ、賞味期限を見ながら入れ替える、置き場所を決める、といった続けやすい方法が現実的です。

また、災害時には普段と同じ生活をすべて守ることは難しい場合があります。

何を優先するか、何は後回しにできるかを、平時に少し考えておくことも備えの一つです。

お金:停電時にも使える手段を考えておく

普段の買い物では、電子マネーやクレジットカードを使うことが多くなっています。

しかし、停電や通信障害が起きると、キャッシュレス決済が使えない場合があります。

そのため、必要な時に使える少額の現金を、無理のない範囲で準備しておくことも一つの備えです。

小銭や千円札など、細かく使いやすい形で置いておくと、災害時に役立つことがあります。

また、保険証、診察券、お薬手帳、身分証明書など、必要なものをすぐ確認できるようにしておくことも大切です。

大きな金額を用意するというよりも、「停電や通信障害があっても、しばらく困りにくいようにする」という視点で考えると、準備しやすくなります。

情報:テレビやスマートフォン以外の手段も考える

災害時には、正しい情報を得ることが大切です。

気象情報、避難情報、交通情報、停電や断水の情報など、状況を知ることで、次に何をするかを考えやすくなります。

ただし、災害時にはインターネットがつながりにくくなったり、スマートフォンの充電が切れたりすることがあります。

そのため、テレビやスマートフォン以外の情報手段も備えておくと役立ちます。

たとえば、電池式や手回し式のラジオを用意しておく。自治体の防災メールや防災アプリを登録する。住んでいる地域の避難所やハザードマップを見る。

情報は、多すぎても不安につながることがあります。

信頼できる情報源をいくつか決めておき、落ち着いて見ることが大切です。

インフラ:停電、断水、通信障害を想像してみる

災害時には、電気、水道、ガス、通信などのインフラが一時的に使えなくなることがあります。

普段は意識しなくても、これらが止まると、生活のいろいろな場面に影響が出ます。

停電すると、照明、冷蔵庫、エアコン、スマートフォンの充電などが使いにくくなります。

断水すると、飲み水だけでなく、トイレ、手洗い、調理、洗濯にも影響します。

通信がつながりにくくなると、家族への連絡や情報収集が難しくなることがあります。

こうした状況を一度想像してみるだけでも、何を準備しておくとよいかが見えやすくなります。

特に9月は、台風による停電や断水も考えられる時期です。

暑さが残る中で停電が起きると、室内でも体調に影響が出ることがあります。

涼しい場所へ移動できるか、飲み水はあるか、近くに頼れる人はいるかなど、あらかじめ考えておくことが大切です。

一度に完璧にしなくてよい

防災の備えは、一度にすべてそろえようとすると大変です。

大切なのは、できるところから始めることです。

今日は水を見る。次は懐中電灯を出す。週末に家族と連絡方法を話す。薬やお薬手帳の場所を見直す。

そのように、小さく分けて進めると、無理なく備えを増やしていくことができます。

備えは、特別な人だけがするものではありません。

暮らしを守るために、普段から無理なく整えておくものです。

9月は、防災について考えるきっかけにしやすい時期です。

台風や大雨への備えを見直しながら、自分や家族の生活を守るために、できることから始めていきたいですね。

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参考情報

  • 内閣府「防災情報のページ」
  • 気象庁「台風情報」
  • 首相官邸「災害が起きる前にできること」
  • 総務省消防庁「防災マニュアル」

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